大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 平成2年(ネ)3046号 判決

「以上認定の事実によれば、控訴人は被控訴人に三〇万円の入会金を預託して本件契約を締結して東松山カントリークラブの個人正会員の地位を取得したものであるが、控訴人の有する右個人正会員の地位は、いわゆる預託金会員組織のゴルフ会員権と呼ばれるものに該当し、会員としてのゴルフ場施設の優先的利用権、年会費納入等の義務、据置期間経過後に退会とともに行使しうる預託金返還請求権などの債権債務関係を内容とする契約上の地位であるから、たとえ控訴人が長期間会員としての権利を行使せず、あるいは被控訴人が控訴人を長期間会員として認めてこなかったとしても、控訴人の個人正会員の地位それ自体が消滅時効にかかることはあり得ないというべきである(付言すれば、右個人正会員の地位の内容をなす個々の債権債務の消滅時効の成否はこれと別個に検討すべき問題であり、例えばゴルフ場施設優先的利用権は、会員の地位にあることによって常時有するものであるから消滅時効を論ずる余地はなく、各年度の年会費支払義務はそれぞれの支払時期から消滅時効が進行し、また、預託金返還請求権は、据置期間が経過しても、会員は退会を強制されるわけではないから据置期間経過により当然に消滅時効が進行するものではなく、会員が退会を申し出て初めて消滅時効が進行するものである。)。したがって、被控訴人の消滅時効の主張も、採用することができない。」

(川上 石井 橋本)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!